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365days

人生の休暇中。 グラフィック、WEBデザインのお仕事をしていました。 デザインのコト、趣味の写真や旅のコト、暮らしの中で見つけた素敵なモノゴトを気ままに綴っています。

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デザイナーとアーティストの違いって? デザイナーがアーティスト要素を持っていてもいいというお話。

Design

http://www.flickr.com/photos/26235754@N05/2663421966

photo by Loving Earth

 

デザイナーはクライアントからの依頼を受けて、その依頼を解決するためにデザインをする人。アーティストは、自分自身の中にあるモノを何かしらのカタチで表現して、世にだしている人。

基本的に別の職業であり、学校でも会社でもデザイナーはアーティストではないと教わります。

この記事を書くにあたり、グーグルで「デザイナーとアーティストの違い」と検索してみたのですが、デザイナーとアーティストは別の職業であり、アウトプットするという共通点はあるものの、根本から異なると書いておられる方がほとんどでした。

 私も以前は、部下にデザイナーとアーティストは別の仕事だというニュアンスの話をしていました。

 きっかけは何気ない会話

とある企業のメインビジュアルを作っていたときに、何気なく部下に、もうちょっと自分のテイストを出して自由にデザインしてもいいよ、と言ったことがあります。途中段階でポスターのデザインをチェックしていたときの言葉なのですが、このままいくと想定より枠にはまったデザインがあがってきそうだな、という印象だったからです。

 

1案目と2案目はすでにデザインが固まっており、3案目も方向性は決まっていたものの、3案提出したときのバランスを考えると、この案は少し冒険した方がいいな、と思っていました。社内の打ち合わせでも、3案目はちょっとはずした感じでいこうとなり、プレゼンまで余裕があったので、最近、成長してきている部下に任せてみたら?という話になりました。

 

その部下は、もっと自由にデザインしてもいいと言われて、少し困惑した様子でした。気になってよくよく考えてみると、その子はそれまで、いわゆる情報を整理するデザインの仕事を主に担当しており、メインビジュアルを作る仕事にはあまり関わっていませんでした。

情報を整理する仕事というのは、冊子やチラシ、WEBサイトを作ったりする仕事で、キャンペーンの案内や、商品の紹介、インタビューなどの記事ページなどを想像していただくと良いかと思います。

 

それに対して、メインビジュアルは企業の顔のような存在で、例えば企業広告であればポスターや新聞広告に掲載されるなど、文字情報よりもそのビジュアル自体が大きく打ち出されます。そして、そのビジュアルありきで、今後、冊子やWEBページといった制作物を展開していくことになるので、とても重要な役割を果たします。

そのデザインとは、ぱっと目を引くインパクトのあるデザインであったり、一瞬で人の目を奪う美しいデザイン、はたまた、ひと笑い誘うような面白おかしいデザインかもしれません。その答えは企業の数だけ存在し、デザイナーはそこに辿りつくまで、何十案と考えることもあります。

 

http://www.flickr.com/photos/46065878@N04/5166803316

photo by Marius Brede

 

デザイナーもその人らしいデザインがある

情報ページを分かりやすく伝えるデザインであれば、アーティストのような自己表現は必要はありませんし、見てくださる方に、きちんと伝わることが1番です。

しかし、ビジュアルを作る場合、その企業の思いが伝わる良いデザインであることにプラスして、他の会社が出せないようなデザインでなければ、その会社に頼むメリットはありません。

 

例えば、それまでは違う会社がメインビジュアルを担当していて、来年からデザインをお願いしますと言われる仕事に、昨年までと同じようなデザインは求められていませんし、他の会社と違って、こういうデザインができますというのをアピールできなければ、次の年にはコンペになってしまうかもしれないし、他の会社にとられてしまう可能性もあります。

(広告として大きく打ち出されるため、良いデザイン、良くないデザインの評価がクライアントを含めた他社からも判断しやすく、担当する会社が変わったことがデザインからも伝わるため、営業の対象にもなりやすくコンペになる可能性が高い仕事でもあります。)

 

仕事をしていくうちに、うまく自分のテイストが出せるようになっていくデザイナーはいいのですが、そこでつまずいてしまうデザイナーに、アーティストとデザイナーはまったく別だという考えは、その子をもっと混乱させてしまうのではないかと、部下の困惑した顔をみてはじめて気が付きました。

そして、それまでデザインとアートが別物だと思っていたのは、学校や先輩に言われたことを、あまり自分で深く考えずにそのまま部下に言っていたのかもしれないと反省しました。

 

最後に

デザイナーをアーティストだと勘違いしている部下を正すことは、間違っていないと思います。しかし、デザイナーとしてある一定レベルに達した場合、それ以上のそのデザイナーの伸びしろ部分については、アーティスト要素を持っていても、それがデザイナーとしてプラスに働くこともあり、自分がデザイナーだからとアーティスト要素を取り除く必要はないのではないかと思います。

むしろデザイナーとアーティストは別物であり絶対に分けて考えなければならない、という考え方はデザイナーとしての成長をストップさせてしまう原因になるのではないかとこの経験から感じるようになり、以降「デザイナーとアーティストは別物」という話はあまりしないようになりました。

 

私自身、自分がアーティストだと思ったことはありませんし、自分なりにデザイナーとアーティストははっきり区別しているつもりです。でも、それは理論上の話であって、デザイナーとアーティストの線引きは、現実はもっとグレーで曖昧にぼやけていて、そしてそれでいいのかもしれないと考えるようになった出来事でした。

 

 

 

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