2015年に読んだ本の中から、おすすめの本10冊を選んでみた。
本棚がいっぱいになったので、整理していたら、今年ももうあと2ヶ月なんだと気付いてしまいました。本棚を片付けつつ、今年読んだ本の中から、勉強になった本、面白かった本、感動した本、読んだあとに勇気が沸いてきた本、すべてひっくるめて、読んでよかったと思えた本を10冊選んでみました。お休みの日に1冊。のんびり読書でもいかがですか。
1|ある広告人の告白
一代で広告代理店オグルヴィ&メイザーを立ち上げた、デビット・オグルヴィの自伝。1964年に書かれた本なので古い部分はあるものの、現在にも通じる本質的なことが多く書かれています。
仕事をするうえで考えること、取るべきスタンス、相手といかに信頼関係をつづけていくかなど、いつも頭の隅においておきたいと思える内容で、とても勉強になりました。
広告代理店の経営者の視点で書かれているため、おおくはデザインの話には及ばないものの、広告やマーケティングに携わる仕事をしている人なら、読んで損はない1冊。
2|今治タオル 奇跡の復活 ~起死回生のブランド戦略~
こちらは逆に、広告を作る側、アートディレクターの佐藤可士和さんが書かれています。
洗練されたイメージで、いつの間にか復活をとげた印象がある「今治タオル」。その復活までの過程が、リアルに描かれています。前半はプロジェクトのマネージャーとして招かれた佐藤可士和さんが、後半は、四国タオル工業組合の方の2つの視点で構成されています。
ブランドという概念がない人たちに、デザインやブランドを理解してもらう難しさは、デザインの仕事をしている人のおおくが味わったことがある経験だと思います。
ひとつのブランドの認知をいかにして上げ、ブランドの価値をたかめ、そしてそのブランドをどのようにして守っていくのか。技術はありながらも、PRベタな日本人のお手本のような1冊だと思いました。
3|LEAN IN ~女性、仕事、リーダーへの意欲~
LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
フェイスブックのCOO、シェリル・サンドバークのあまりにも有名なこの本。遅ればせながら、先日読み終えました。アメリカでは、男女平等が当たり前だと思っていたので、日本とそんなにも変わらないようなエピソードがたくさん出てきたことに驚きながらも、アメリカでさえこうなのか、と問題の根深さを思わずにはいられませんでした。
今の私たちが、女性であることを売りにしたり忘れたりしなくも、「普通」に仕事ができているのは、日本にもこのように女性の立場を変えようと努力してきた方がおおくいたのだろうと考えさせられた。
そしてなにより読んだあとに、よし頑張ろうと元気をもらえる本でした。ビジネス書は男性が書かれたものがおおい中、女性の視点から書かれた貴重な1冊だと思います。
4|裸でも生きる
裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)
女性企業家として有名な山口絵里子さんが書かれた本。アジア最貧国と言われるバングラディッシュで、「マザーハウス」というバッグのブランドをゼロから立ち上げた方。
「途上国にお金を支援するのではなく、現地で材料をさがし、商品を作りながら、人を育てる。そしてそれにブランド価値をつけ、日本で販売して、途上国を支援する。」すこし考えただけでおおくの人があきらめてしまいそうなことを、当時20代の女性が実現されています。すごくアグレッシブで、読んでいて勇気が沸いてくる1冊。こんな日本人がいるのかと、感服です。
自己啓発本はあまり読みたいと思わないけど、その枠を超えた本だと思います。素直に読んでよかったと思える1冊。
5|そして生活はつづく
今や大人気になってしまった星野源さん。働いていたころ、職場でJ-WAVEから流れる「フィルム」に癒されてました。そんな歌手、役者としても活躍されている星野さんが書かれた初のエッセイ集。
目次が「部屋探しはつづく」「口内炎はつづく」と「つづく」しばりになっており、タイトルの「そして生活はつづく」と一体になった面白い構成。
最近はポップな曲をおおく歌われていますが、昔の星野源さんの歌詞をそのまま本にしたような、日常がテーマになった、脱力系な内容です。
6|下町ロケット
案の定、日曜9時枠でドラマ化された、下町ロケット。録画した1話を見たら、キャスティングがなんとも言えない感じで少し悲しくなりました。でも池井戸小説はやっぱり面白い。読んでいて安心感があるので、何も考えたくないときに選んでしまいます。ドラマを見てる方もおおいと思うので、内容の紹介は控えたいと思います。
7|震える牛
フィクションのミステリー小説にもかかわらず、嫌でも実際の企業名が頭をかすめる、ドキュメンタリーのような内容。食品汚染と地方疲弊がテーマになっています。私の育った地元の商店街も昔とくらべて、シャッターを閉めてしまったお店がふえたこととも重なり、いろいろと考えさせられました。
消費者がもっと賢くならなければ、大きなものにどんどん飲み込まれていってしまう、、、強い危機感を感じました。
今年もっとも、先が気になって本を閉じることができなかった1冊。
※読むとしばらくソーセージとかハンバーグとか食べられなくなります。
8|サラバ
ごくごく普通のありふれた家族の日常の悩みや葛藤が綴られています。家族というものが人の人生にどのような影響をあたえるのか、下巻まで読むとはっとさせられ、ほろりとさせてくれます。
物語がのんびりすすむため、途中で他の本に移って、やっぱり続きが気になって戻ってを繰り返しながら読みました。西加奈子ワールドはまってしまいそうです。自分の生き方に迷ったり悩んだりしている人におすすめ。
9|沈まぬ太陽
ずっと読みたいと思っていた、沈まぬ太陽。会社を辞めて時間ができたので、この機会にと思い購入。一気に読み切りました。毎年、御巣鷹山の事故から○年というニュースを見ていて、大きな飛行機墜落事故が起こったという認識しかなかった私にとっては、衝撃的な内容でした。
どこまでがフィクションなのかは分かりませんが、当時の日航の体質や、家族を失った遺族の苦境が描かれており、なんともやるせない気持ちが残ります。
東京電力の原発事故とも繋がるところがあるような、企業とか仕事とかそんなことをいろいろと考えさせられました。
10|ピュリツァー賞 受賞写真 全記録
本屋さんで見て、思わず購入してしまいました。優れた報道写真に与えられるピュリツァー賞の過去の受賞作品が収録されている1冊。硫黄島の星条旗、ソ連崩壊、ケネディ暗殺犯として逮捕されたオズワルド殺害など、だれもが一度は目にしたことがある写真がたくさん。「ハゲワシと少女」で有名なケビンカーターの写真も載っています。迫力ある写真はもちろんのこと、それを説明する時代背景がかかれてあり、世界の歴史を知ることもできます。本物の写真家たちが撮った写真、引き込まれます。
まとめ
以上、2015年に読んだ本の中から、選んだ10冊でした。本棚とにらめっこしながら、そういえばこんな本読んだな、とかこれも面白かった、とか考えながら書いていたら、意外と時間がかかってしまいました。自分の知らない世界を教えてくれる読書ってやっぱり楽しい。
自分で選ぶと似た本をおおく買ってしまうので、来年はこないだテレビで放送されていた、本を選んでくれる本屋さんに、選書をお願いしてみたいなと思いました。
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